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子どもの教育にはいくら必要? 教育資金の貯め方と貯金の増やし方を解説
「子どもの教育にはいくら必要なのか」。子どもを持つ家庭であれば、気になるところでしょう。 教育費は家庭の教育方針や子ども本人の希望によっても金額が異なりますので、将来かかる教育費を正確に割り出すことは難しいです。しかし、いざ教育費を払うときに「お金が足らない」とならないように準備しておきたいもの。 そこで今回は、教育資金がどのくらいかかるかと、教育資金の貯め方・増やし方について解説します。
子ども1人当りの教育資金はどのくらい?
子どもの教育資金がどの程度必要か、文部科学省の統計データからだいたい予想することができます。子ども1人にどのくらいの教育資金がかかるのか、まずは平均を見てみましょう。
<上段:幼稚園から大学までの学習費平均>
<下段:幼稚園の授業料をゼロにした学習費平均>
〈出典〉
平成28年度子供の学習費調査の公表について(文部科学省)
平成29年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額の調査結果について(文部科学省)
国立大学と私立大学の授業料等の推移(文部科学省)
上段の図は、(国)公立・私立別に幼稚園から大学までの学習費平均をまとめたものです。
この調査結果に、2019年10月から全面実施される幼保無償化(幼児教育・保育の無償化)によって幼稚園の授業料がゼロとなった場合の平均が下段の図となります。
例えば、幼稚園・大学(文系)は私立、小学校・中学校・高校を公立とした場合、学習費の合計額は上段であれば1,041万円、下段であれば976万円となります。ただ実際にかかる学習費は、公立か私立かだけでなく、住んでいる地域、学校外活動費などの有無によっても差が出てきます。
住んでいる市町村の人口別の学習費もまとめられていますので、一部紹介しておきます。
<人口規模別 学習費(公立小学校/年額(円))>
〈出典〉
平成28年度子供の学習費調査の公表について(文部科学省)
公立小学校の年平均額は322,310円なのですが、人口規模別にみると「人口5万人未満」(241,334円)と「指定都市・特別区」(409,694円)で金額に大きな差があることが分かります。人口規模の大きい地域に住んでいる方は、「平均額+α」の準備が必要となるでしょう。
さらに、学習費には「必ずかかる学習費」と「家計の状況に合わせて支出する学習費」があります。「家計の状況に合わせて支出する学習費」とは、習い事や学習塾など家庭でコントロールできる支出のことです。学習費調査には「家計の状況に合わせて支出する学習費」も含まれていますので、この学習費をどれだけかけるかによっては平均額を下回ることも上回ることもあります。
高校無償化の現状に見る幼保無償化
幼保無償化と言われると、小学校入学までの費用負担減ることを期待するでしょう。しかし、幼児教育にかかる費用が無償化されれば、必ずしも負担が軽減されるわけではありません。2010年から実施された高校授業料無償化による学習費の推移を例にその理由を見てみましょう。
<高校授業料無償化前後の学習費用 推移>
〈出典〉
平成28年度子供の学習費調査の公表について(文部科学省)
高校授業料無償化が実施された当初は、確かに「授業料無償化」により「費用負担が軽減」されていました。しかし最近では、「無償化されているにもかかわらず、費用負担は上昇傾向」となっています。その理由としては、修学旅行費、その他学校納付金、学用品・教科書以外の図書費、通学費、通学用品費など、授業料以外の費用が上昇していることが挙げられます。
このように、幼保無償化も導入時には費用負担が軽減されていても、数年経つと費用負担が上昇して無償化前と変わらなくなる可能性があります。全都道府県にある私立幼稚園100園を対象にした共同通信の調査(2018年10月27日付)では、約4割の園が幼保無償化を見越して保育料を値上げすると答えていますので、言葉のイメージだけで資金計画を立てないよう注意しましょう。
〈出典〉
教育資金の貯め方と貯金の増やし方
それでは、大学費用などの教育資金はどのように貯め、今ある貯金はどのように増やしたらいいのでしょうか。教育資金の準備について解説します。
教育資金の準備方法は必要額と準備期間によって異なる
教育資金を「貯める」方法では、準備期間が約10年〜18年は必要です。貯金を始めるときの家計にもよりますが、中長期にわたって少しずつ貯めることが家計に負担をかけず貯金を続ける基本となります。例として、大学費用を貯める際の貯蓄額を計算しました。
<大学費用として400万円を貯めるために必要な貯蓄額>
当然ですが、準備期間が短いほど毎月の貯蓄額は高くなり、準備期間が長いほど貯蓄額は低くなります。子どもが高校生になってから進学の準備をすると、必要額によっては毎月の貯金では間に合いません。さらに並行して、幼稚園・保育園、小学校、中学校、高校の教育費もかかりますので、これらの教育費と収入の両方を考えて計画を立てるようにしましょう。
実際に貯蓄し続けても目標額を貯めるのが難しいとなったときには、日本学生支援機構の奨学金や国の教育ローンを利用する方法もあります。
学資保険の特徴と加入する意味
学資保険とは、子どもの進学に合わせて一定額を受け取れる保険です。進学前に一括して受け取れる保険や、進学後も毎年受け取れるタイプがあります。学資保険はその名の通り“保険”なので、契約者が亡くなったとしても教育資金を受け取れることが特徴です。
学資保険を選ぶときは、支払う保険料に対してどのくらい受け取れるかがポイントとなります。つまり、どのくらい教育資金を増やすことができるかが重要なのです。
学資保険は死亡保障があることが特徴なので、投資信託などの投資と単純に比較することはできません。ただ、すでに終身保険や収入保障保険に加入して十分な保障がある場合や、死亡保障自体不要と考えている場合で、純粋に「増やすこと」を重視したいならば、投資信託やNISAも選択肢として考えてもいいでしょう。
投資信託で教育資金を増やす
投資信託では、投資を信託(任せること)します。つまり、株式投資では自分自身で投資の将来性や経営状況を調べて売買しなければなりませんが、投資信託では投資する先を専門家に任せます。
投資先は、投資信託の商品によって異なり、海外に投資する商品もあります。比較的安全性の高いものから、損をしてしまう可能性が高いものまでありますが、いずれの商品も元本割れ(投資した額未満でしか売却できないこと)する可能性があることを念頭に置きましょう。
投資信託とNISAを活用する
投資信託は株式や債券などの投資を専門家がおこなう金融商品ですが、取引するためには口座を開設しなければなりません。口座によっては、約20%かかる税金を自動的に計算し、納付してもらえます。
この口座には複数の種類がありますが、そのうち税制面で優遇を受けられるのがNISA口座です。NISA(少額投資非課税制度)は一定の範囲内の利益は非課税となる制度で、約20%の課税がありません。さらにNISAには、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3つのタイプがあり、それぞれの特徴についてまとめたものが次の表です。
<NISAの概要>
※一般NISAとつみたてNISAの併用不可
このうち、教育資金準備としての相性がいいのがつみたてNISAです。つみたてNISAは、最大40万円の投資額から得られた利益が非課税となります。
例えば、毎年40万円投資し1万円の利益を得たとします。投資額40万円は非課税枠内なので、そこから得られる利益(1万円)は非課税です。これが20年間続くと、約26万円の利益となります。
またNISAにはこれまでの口座にはないデメリットもあります。メリットと合わせて解説します。
NISA口座の特徴
これまでの口座
・投資信託Aに投資し、30万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、20万円の損が出た。
⇒AとBを合わせて、10万円(30万円-20万円)の利益となり、課税の対象となります。
NISA口座(メリット)
・投資信託Aに投資し、20万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、10万円の利益を得た。
⇒AとBを合わせて30万円(20万円+10万円)の利益となりますが、非課税の枠内であれば課税されません。
NISA口座(デメリット)
・投資信託Aに投資し、30万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、20万円の損が出た。
⇒Bの損はなかったものとなり、30万円の利益が課税対象となります。ただし、非課税の枠内であれば課税されません。
このように、NISAは利益が出た場合に非課税の枠内であれば課税されませんが、損が出た場合にはこれまでの口座とは違い、合算することができません。
損をする余裕がない場合は安全性の確保を優先
教育資金の準備で、投資信託やNISAを活用するかどうかの判断は、リスク許容度(どの程度のリスクまで受け入れられるか)や家計の状況、投資経験・知識などによるため一概に言えません。しかし、投資による損で生活費や教育費に影響が出る恐れがある場合は、安全性の確保が最優先となります。
安全性の高い商品(元本割れのない商品)としては、定期預金(普通預金)、個人向け国債などがあります。元本割れする可能性が低い商品としては国債や社債に投資する公社債投資信託(NISAの対象外)があります。
収益性を求めればリスクは高くなりますので、投資経験がなければ、無理に利益を追い求めず、確実に教育資金を貯める方が安心でしょう。
執筆者プロフィール:
藤 孝憲(ファイナンシャルプランナー)
FPオフィスベストライフ 代表。商品販売をしない消費者目線のファイナンシャルプランナーとして、ご家族に合ったライフプランニングをもとに資産運用を含めたお金の使い方や住宅ローン・保険の選び方などアドバイスする。CFP(R)認定者・宅建士・住宅ローンアドバイザー・証券外務員2種・エクセルVBAエキスパート
幼保無償化と言われると、小学校入学までの費用負担減ることを期待するでしょう。しかし、幼児教育にかかる費用が無償化されれば、必ずしも負担が軽減されるわけではありません。2010年から実施された高校授業料無償化による学習費の推移を例にその理由を見てみましょう。
<高校授業料無償化前後の学習費用 推移>
〈出典〉
平成28年度子供の学習費調査の公表について(文部科学省)
高校授業料無償化が実施された当初は、確かに「授業料無償化」により「費用負担が軽減」されていました。しかし最近では、「無償化されているにもかかわらず、費用負担は上昇傾向」となっています。その理由としては、修学旅行費、その他学校納付金、学用品・教科書以外の図書費、通学費、通学用品費など、授業料以外の費用が上昇していることが挙げられます。
このように、幼保無償化も導入時には費用負担が軽減されていても、数年経つと費用負担が上昇して無償化前と変わらなくなる可能性があります。全都道府県にある私立幼稚園100園を対象にした共同通信の調査(2018年10月27日付)では、約4割の園が幼保無償化を見越して保育料を値上げすると答えていますので、言葉のイメージだけで資金計画を立てないよう注意しましょう。
〈出典〉
それでは、大学費用などの教育資金はどのように貯め、今ある貯金はどのように増やしたらいいのでしょうか。教育資金の準備について解説します。
教育資金を「貯める」方法では、準備期間が約10年〜18年は必要です。貯金を始めるときの家計にもよりますが、中長期にわたって少しずつ貯めることが家計に負担をかけず貯金を続ける基本となります。例として、大学費用を貯める際の貯蓄額を計算しました。
<大学費用として400万円を貯めるために必要な貯蓄額>
当然ですが、準備期間が短いほど毎月の貯蓄額は高くなり、準備期間が長いほど貯蓄額は低くなります。子どもが高校生になってから進学の準備をすると、必要額によっては毎月の貯金では間に合いません。さらに並行して、幼稚園・保育園、小学校、中学校、高校の教育費もかかりますので、これらの教育費と収入の両方を考えて計画を立てるようにしましょう。
実際に貯蓄し続けても目標額を貯めるのが難しいとなったときには、日本学生支援機構の奨学金や国の教育ローンを利用する方法もあります。
学資保険の特徴と加入する意味
学資保険とは、子どもの進学に合わせて一定額を受け取れる保険です。進学前に一括して受け取れる保険や、進学後も毎年受け取れるタイプがあります。学資保険はその名の通り“保険”なので、契約者が亡くなったとしても教育資金を受け取れることが特徴です。
学資保険を選ぶときは、支払う保険料に対してどのくらい受け取れるかがポイントとなります。つまり、どのくらい教育資金を増やすことができるかが重要なのです。
学資保険は死亡保障があることが特徴なので、投資信託などの投資と単純に比較することはできません。ただ、すでに終身保険や収入保障保険に加入して十分な保障がある場合や、死亡保障自体不要と考えている場合で、純粋に「増やすこと」を重視したいならば、投資信託やNISAも選択肢として考えてもいいでしょう。
投資信託で教育資金を増やす
投資信託では、投資を信託(任せること)します。つまり、株式投資では自分自身で投資の将来性や経営状況を調べて売買しなければなりませんが、投資信託では投資する先を専門家に任せます。
投資先は、投資信託の商品によって異なり、海外に投資する商品もあります。比較的安全性の高いものから、損をしてしまう可能性が高いものまでありますが、いずれの商品も元本割れ(投資した額未満でしか売却できないこと)する可能性があることを念頭に置きましょう。
投資信託とNISAを活用する
投資信託は株式や債券などの投資を専門家がおこなう金融商品ですが、取引するためには口座を開設しなければなりません。口座によっては、約20%かかる税金を自動的に計算し、納付してもらえます。
この口座には複数の種類がありますが、そのうち税制面で優遇を受けられるのがNISA口座です。NISA(少額投資非課税制度)は一定の範囲内の利益は非課税となる制度で、約20%の課税がありません。さらにNISAには、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3つのタイプがあり、それぞれの特徴についてまとめたものが次の表です。
<NISAの概要>
※一般NISAとつみたてNISAの併用不可
このうち、教育資金準備としての相性がいいのがつみたてNISAです。つみたてNISAは、最大40万円の投資額から得られた利益が非課税となります。
例えば、毎年40万円投資し1万円の利益を得たとします。投資額40万円は非課税枠内なので、そこから得られる利益(1万円)は非課税です。これが20年間続くと、約26万円の利益となります。
またNISAにはこれまでの口座にはないデメリットもあります。メリットと合わせて解説します。
NISA口座の特徴
これまでの口座
・投資信託Aに投資し、30万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、20万円の損が出た。
⇒AとBを合わせて、10万円(30万円-20万円)の利益となり、課税の対象となります。
NISA口座(メリット)
・投資信託Aに投資し、20万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、10万円の利益を得た。
⇒AとBを合わせて30万円(20万円+10万円)の利益となりますが、非課税の枠内であれば課税されません。
NISA口座(デメリット)
・投資信託Aに投資し、30万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、20万円の損が出た。
⇒Bの損はなかったものとなり、30万円の利益が課税対象となります。ただし、非課税の枠内であれば課税されません。
このように、NISAは利益が出た場合に非課税の枠内であれば課税されませんが、損が出た場合にはこれまでの口座とは違い、合算することができません。
損をする余裕がない場合は安全性の確保を優先
教育資金の準備で、投資信託やNISAを活用するかどうかの判断は、リスク許容度(どの程度のリスクまで受け入れられるか)や家計の状況、投資経験・知識などによるため一概に言えません。しかし、投資による損で生活費や教育費に影響が出る恐れがある場合は、安全性の確保が最優先となります。
安全性の高い商品(元本割れのない商品)としては、定期預金(普通預金)、個人向け国債などがあります。元本割れする可能性が低い商品としては国債や社債に投資する公社債投資信託(NISAの対象外)があります。
収益性を求めればリスクは高くなりますので、投資経験がなければ、無理に利益を追い求めず、確実に教育資金を貯める方が安心でしょう。
執筆者プロフィール:
藤 孝憲(ファイナンシャルプランナー)
FPオフィスベストライフ 代表。商品販売をしない消費者目線のファイナンシャルプランナーとして、ご家族に合ったライフプランニングをもとに資産運用を含めたお金の使い方や住宅ローン・保険の選び方などアドバイスする。CFP(R)認定者・宅建士・住宅ローンアドバイザー・証券外務員2種・エクセルVBAエキスパート
学資保険とは、子どもの進学に合わせて一定額を受け取れる保険です。進学前に一括して受け取れる保険や、進学後も毎年受け取れるタイプがあります。学資保険はその名の通り“保険”なので、契約者が亡くなったとしても教育資金を受け取れることが特徴です。
学資保険を選ぶときは、支払う保険料に対してどのくらい受け取れるかがポイントとなります。つまり、どのくらい教育資金を増やすことができるかが重要なのです。
学資保険は死亡保障があることが特徴なので、投資信託などの投資と単純に比較することはできません。ただ、すでに終身保険や収入保障保険に加入して十分な保障がある場合や、死亡保障自体不要と考えている場合で、純粋に「増やすこと」を重視したいならば、投資信託やNISAも選択肢として考えてもいいでしょう。
投資信託では、投資を信託(任せること)します。つまり、株式投資では自分自身で投資の将来性や経営状況を調べて売買しなければなりませんが、投資信託では投資する先を専門家に任せます。
投資先は、投資信託の商品によって異なり、海外に投資する商品もあります。比較的安全性の高いものから、損をしてしまう可能性が高いものまでありますが、いずれの商品も元本割れ(投資した額未満でしか売却できないこと)する可能性があることを念頭に置きましょう。
投資信託は株式や債券などの投資を専門家がおこなう金融商品ですが、取引するためには口座を開設しなければなりません。口座によっては、約20%かかる税金を自動的に計算し、納付してもらえます。
この口座には複数の種類がありますが、そのうち税制面で優遇を受けられるのがNISA口座です。NISA(少額投資非課税制度)は一定の範囲内の利益は非課税となる制度で、約20%の課税がありません。さらにNISAには、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3つのタイプがあり、それぞれの特徴についてまとめたものが次の表です。
<NISAの概要>
※一般NISAとつみたてNISAの併用不可
このうち、教育資金準備としての相性がいいのがつみたてNISAです。つみたてNISAは、最大40万円の投資額から得られた利益が非課税となります。
例えば、毎年40万円投資し1万円の利益を得たとします。投資額40万円は非課税枠内なので、そこから得られる利益(1万円)は非課税です。これが20年間続くと、約26万円の利益となります。
またNISAにはこれまでの口座にはないデメリットもあります。メリットと合わせて解説します。
NISA口座の特徴
これまでの口座
・投資信託Aに投資し、30万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、20万円の損が出た。
⇒AとBを合わせて、10万円(30万円-20万円)の利益となり、課税の対象となります。
NISA口座(メリット)
・投資信託Aに投資し、20万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、10万円の利益を得た。
⇒AとBを合わせて30万円(20万円+10万円)の利益となりますが、非課税の枠内であれば課税されません。
NISA口座(デメリット)
・投資信託Aに投資し、30万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、20万円の損が出た。
⇒Bの損はなかったものとなり、30万円の利益が課税対象となります。ただし、非課税の枠内であれば課税されません。
このように、NISAは利益が出た場合に非課税の枠内であれば課税されませんが、損が出た場合にはこれまでの口座とは違い、合算することができません。
損をする余裕がない場合は安全性の確保を優先
教育資金の準備で、投資信託やNISAを活用するかどうかの判断は、リスク許容度(どの程度のリスクまで受け入れられるか)や家計の状況、投資経験・知識などによるため一概に言えません。しかし、投資による損で生活費や教育費に影響が出る恐れがある場合は、安全性の確保が最優先となります。
安全性の高い商品(元本割れのない商品)としては、定期預金(普通預金)、個人向け国債などがあります。元本割れする可能性が低い商品としては国債や社債に投資する公社債投資信託(NISAの対象外)があります。
収益性を求めればリスクは高くなりますので、投資経験がなければ、無理に利益を追い求めず、確実に教育資金を貯める方が安心でしょう。
執筆者プロフィール:
藤 孝憲(ファイナンシャルプランナー)
FPオフィスベストライフ 代表。商品販売をしない消費者目線のファイナンシャルプランナーとして、ご家族に合ったライフプランニングをもとに資産運用を含めたお金の使い方や住宅ローン・保険の選び方などアドバイスする。CFP(R)認定者・宅建士・住宅ローンアドバイザー・証券外務員2種・エクセルVBAエキスパート
これまでの口座
・投資信託Aに投資し、30万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、20万円の損が出た。
⇒AとBを合わせて、10万円(30万円-20万円)の利益となり、課税の対象となります。
NISA口座(メリット)
・投資信託Aに投資し、20万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、10万円の利益を得た。
⇒AとBを合わせて30万円(20万円+10万円)の利益となりますが、非課税の枠内であれば課税されません。
NISA口座(デメリット)
・投資信託Aに投資し、30万円の利益を得た。
・投資信託Bに投資し、20万円の損が出た。
⇒Bの損はなかったものとなり、30万円の利益が課税対象となります。ただし、非課税の枠内であれば課税されません。
このように、NISAは利益が出た場合に非課税の枠内であれば課税されませんが、損が出た場合にはこれまでの口座とは違い、合算することができません。
教育資金の準備で、投資信託やNISAを活用するかどうかの判断は、リスク許容度(どの程度のリスクまで受け入れられるか)や家計の状況、投資経験・知識などによるため一概に言えません。しかし、投資による損で生活費や教育費に影響が出る恐れがある場合は、安全性の確保が最優先となります。
安全性の高い商品(元本割れのない商品)としては、定期預金(普通預金)、個人向け国債などがあります。元本割れする可能性が低い商品としては国債や社債に投資する公社債投資信託(NISAの対象外)があります。
収益性を求めればリスクは高くなりますので、投資経験がなければ、無理に利益を追い求めず、確実に教育資金を貯める方が安心でしょう。
執筆者プロフィール:
藤 孝憲(ファイナンシャルプランナー)
FPオフィスベストライフ 代表。商品販売をしない消費者目線のファイナンシャルプランナーとして、ご家族に合ったライフプランニングをもとに資産運用を含めたお金の使い方や住宅ローン・保険の選び方などアドバイスする。CFP(R)認定者・宅建士・住宅ローンアドバイザー・証券外務員2種・エクセルVBAエキスパート