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30代夫婦の平均貯金額はいくら?FP鈴木茂美さんが診断
これからマイホームや子どもを考えているmichill世代にとって、貯金はどの位あれば良いのか? お金が必要なのは分かるけれど、なかなか相談できる相手がいない方も多いのでは? これからの運用資金、気になるところですよね。 そこで、実際の相談事例を元に、いつまでにどの位貯蓄があれば安心かを 3組のご夫婦のケースをご紹介します。
リアルに学ぶ夫婦の貯蓄額① 30代共働き夫婦の平均的なケース
夫婦合計の貯蓄額660万円(夫:約400万円、妻:約260万円)
夫:31歳 正社員 年収約450万円 60歳定年 退職金1,740万円(見込み)
妻:34歳 妊活のため正社員から時短勤務に変更 年収245万円
・月の生活費:約20~25万円
・来年には子どもひとりを希望。出産後は早期に復職し現在の年収を維持予定
・4年後にマイホーム(建売戸建て)購入希望
こちらは、私が見てきたmichill世代の平均的なケースです。
現時点での銀行預金は660万円ですが、年間100万円のペースでの貯蓄ができており、来年子どもが産まれて一時的に妻の年収がダウンしても、4年後までに800万円以上は貯蓄できる見込みです。
これなら、マイホームを買うのは可能です。
子どもの教育費の方はというと、育休取得後は現在の年収レベルを維持して働く予定のため、ローンや高校までの教育費を考えても、年平均40万円ずつの貯金が可能な見通しです。
大学費用も、児童手当をすべて貯金(207万円)でき、返戻率115.9%の学資保険で250万円を準備すれば、お子さんが大学卒業するまでの間に大きく貯金を減らすことはなさそうです。
そうすると、退職金で繰り上げ返済をしたとしても、60歳時点で約3000万円の現金が手元に残る計算になるケースです。
今後のリフォームや年金受取額の引き下げを考えると、余裕があるとは言えませんが、60歳以降も年収200万円位が5年ほどキープできれば、まずまずと言ったところです。
このケースのポイントは、
①マイホーム購入までに頭金+諸費用以上の貯蓄が準備できること
②育休取得後すぐに復職し、世帯年収を減らさないこと
③児童手当を貯金し、返戻率のいい保険で大学進学費用を準備できること
の3つです。
リアルに学ぶ夫婦の貯蓄額② 出産を機に妻が働き方を変えるケース
夫婦合計の貯蓄額3,250万円(夫:約2,000万円、妻:約1,250万円)
夫:38歳 会社員 年収約500万円 60歳定年
妻:31歳 会社員 年収約370万円 60歳定年
・月の生活費約16~28万円
・子ども2人希望。
・妻は2人目育休取得後に退職希望(退職金400万円見込み)。復職は第2子が幼稚園入園後、年収300万円の予定。
・夫の年齢を考えて、2年後に戸建てを購入する予定。
こちらは、貯蓄は十分にありマイホームを買うこと自体はできるのですが、実は老後破産が想定されるケースです。
子どもの教育費や現役時代の家計はOK。
退職後2年間の赤字分は退職金で賄えるとして、復職後は年100万円以上の貯蓄ができる計算です。
子どもの大学進学費用は、妻名義の学資保険と児童手当で457万円を準備することが可能です。
ただし、退職金がなく70歳までローンが続くため、せっかく貯めたお金を減らしてしまい、60歳以降も働いたとしても、最低限の生活費のみで旅行やリフォーム費用などが難しく、体を壊したりしたら80歳を迎える前に破産が予想されます。
退職金の有無や妻の働き方、子育て費用などで貯蓄が3000万円あっても十分ではないのですね。
子どもが生まれた後に妻の年収が減る分の最低1000万円は追加で貯蓄をし、その後は銀行預金だけではなく貯蓄型保険や個人型確定拠出年金(iDeCo)なども活用して老後資金を準備するなどが必要です。
リアルに学ぶ夫婦の貯蓄額③ 妻が育休取得後も仕事を続けるケース
夫婦合計の貯蓄額2,150万円(夫:約1,000万円、妻:約1,150万円)
夫:31歳 会社員 年収約680万円 60歳定年 退職金なし
妻:31歳 会社員 年収約450万円 60歳定年 企業型確定拠出年金
・月の生活費約28万円
・子ども2人希望。
・妻は育休取得後すぐに復職予定。
・マイホームは、4年後に購入予定。予算は5,500万円、月の返済額を減らすため頭金は2割用意。
世帯年収が1000万を超えており出産後も妻が働く予定のため、余裕のあるケースです。
夫の年収は今後あがる見込みのため児童手当は減額されますが、世帯年収が高いため教育費の準備は余裕があると言えます。
現在の働き方と生活費を続けることができれば、心配することはなさそうです。
ただし、収入の多い世帯はそれに見合って支出も増える傾向がありますので注意が必要です。
DINKSのうちにしっかりと貯蓄をして安泰なケースと言えるでしょう。
老後の自分たちの生活も考えておく事も重要
今後の人生設計に必要なお金を考える時には、マイホームや子どもの教育費だけでなく、退職後=老後の自分たちの生活も考えておくことが必要です。
日本人の平均寿命は延びていますから、「人生90年」と考えた時に十分なお金の準備と使い方をすることが欠かせません。
今回の3つケースから言えることは、
①マイホームを買う前には、頭金+諸経費+αの用意が必要
②子どもが生まれる前に、妻の育休期間に収入が減る分は貯蓄しておく
③出産後育児に専念する場合には、妻が働かない期間の妻の年収分を貯蓄しておく
ということです。
まだ準備ができていない人は、ぜひすぐに始めてくださいね。
<注1>住宅の購入費用は首都圏平均、頭金1割、諸費用7%で計算
<注2>年収は平均的な賃金上昇率にて試算
<注3>年金受給額は、平成29年度の金額を元に試算
<注4>子どもの教育費は、幼稚園(保育園)~高校は公立、大学は私立文系として試算
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・月の生活費:約20~25万円
・来年には子どもひとりを希望。出産後は早期に復職し現在の年収を維持予定
・4年後にマイホーム(建売戸建て)購入希望
こちらは、私が見てきたmichill世代の平均的なケースです。
現時点での銀行預金は660万円ですが、年間100万円のペースでの貯蓄ができており、来年子どもが産まれて一時的に妻の年収がダウンしても、4年後までに800万円以上は貯蓄できる見込みです。
これなら、マイホームを買うのは可能です。
子どもの教育費の方はというと、育休取得後は現在の年収レベルを維持して働く予定のため、ローンや高校までの教育費を考えても、年平均40万円ずつの貯金が可能な見通しです。
大学費用も、児童手当をすべて貯金(207万円)でき、返戻率115.9%の学資保険で250万円を準備すれば、お子さんが大学卒業するまでの間に大きく貯金を減らすことはなさそうです。
そうすると、退職金で繰り上げ返済をしたとしても、60歳時点で約3000万円の現金が手元に残る計算になるケースです。
今後のリフォームや年金受取額の引き下げを考えると、余裕があるとは言えませんが、60歳以降も年収200万円位が5年ほどキープできれば、まずまずと言ったところです。
このケースのポイントは、
①マイホーム購入までに頭金+諸費用以上の貯蓄が準備できること
②育休取得後すぐに復職し、世帯年収を減らさないこと
③児童手当を貯金し、返戻率のいい保険で大学進学費用を準備できること
の3つです。
夫:38歳 会社員 年収約500万円 60歳定年
妻:31歳 会社員 年収約370万円 60歳定年
・月の生活費約16~28万円
・子ども2人希望。
・妻は2人目育休取得後に退職希望(退職金400万円見込み)。復職は第2子が幼稚園入園後、年収300万円の予定。
・夫の年齢を考えて、2年後に戸建てを購入する予定。
こちらは、貯蓄は十分にありマイホームを買うこと自体はできるのですが、実は老後破産が想定されるケースです。
子どもの教育費や現役時代の家計はOK。
退職後2年間の赤字分は退職金で賄えるとして、復職後は年100万円以上の貯蓄ができる計算です。
子どもの大学進学費用は、妻名義の学資保険と児童手当で457万円を準備することが可能です。
ただし、退職金がなく70歳までローンが続くため、せっかく貯めたお金を減らしてしまい、60歳以降も働いたとしても、最低限の生活費のみで旅行やリフォーム費用などが難しく、体を壊したりしたら80歳を迎える前に破産が予想されます。
退職金の有無や妻の働き方、子育て費用などで貯蓄が3000万円あっても十分ではないのですね。
子どもが生まれた後に妻の年収が減る分の最低1000万円は追加で貯蓄をし、その後は銀行預金だけではなく貯蓄型保険や個人型確定拠出年金(iDeCo)なども活用して老後資金を準備するなどが必要です。
リアルに学ぶ夫婦の貯蓄額③ 妻が育休取得後も仕事を続けるケース
夫婦合計の貯蓄額2,150万円(夫:約1,000万円、妻:約1,150万円)
夫:31歳 会社員 年収約680万円 60歳定年 退職金なし
妻:31歳 会社員 年収約450万円 60歳定年 企業型確定拠出年金
・月の生活費約28万円
・子ども2人希望。
・妻は育休取得後すぐに復職予定。
・マイホームは、4年後に購入予定。予算は5,500万円、月の返済額を減らすため頭金は2割用意。
世帯年収が1000万を超えており出産後も妻が働く予定のため、余裕のあるケースです。
夫の年収は今後あがる見込みのため児童手当は減額されますが、世帯年収が高いため教育費の準備は余裕があると言えます。
現在の働き方と生活費を続けることができれば、心配することはなさそうです。
ただし、収入の多い世帯はそれに見合って支出も増える傾向がありますので注意が必要です。
DINKSのうちにしっかりと貯蓄をして安泰なケースと言えるでしょう。
老後の自分たちの生活も考えておく事も重要
今後の人生設計に必要なお金を考える時には、マイホームや子どもの教育費だけでなく、退職後=老後の自分たちの生活も考えておくことが必要です。
日本人の平均寿命は延びていますから、「人生90年」と考えた時に十分なお金の準備と使い方をすることが欠かせません。
今回の3つケースから言えることは、
①マイホームを買う前には、頭金+諸経費+αの用意が必要
②子どもが生まれる前に、妻の育休期間に収入が減る分は貯蓄しておく
③出産後育児に専念する場合には、妻が働かない期間の妻の年収分を貯蓄しておく
ということです。
まだ準備ができていない人は、ぜひすぐに始めてくださいね。
<注1>住宅の購入費用は首都圏平均、頭金1割、諸費用7%で計算
<注2>年収は平均的な賃金上昇率にて試算
<注3>年金受給額は、平成29年度の金額を元に試算
<注4>子どもの教育費は、幼稚園(保育園)~高校は公立、大学は私立文系として試算
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・子ども2人希望。
・妻は育休取得後すぐに復職予定。
・マイホームは、4年後に購入予定。予算は5,500万円、月の返済額を減らすため頭金は2割用意。
世帯年収が1000万を超えており出産後も妻が働く予定のため、余裕のあるケースです。
夫の年収は今後あがる見込みのため児童手当は減額されますが、世帯年収が高いため教育費の準備は余裕があると言えます。
現在の働き方と生活費を続けることができれば、心配することはなさそうです。
ただし、収入の多い世帯はそれに見合って支出も増える傾向がありますので注意が必要です。
DINKSのうちにしっかりと貯蓄をして安泰なケースと言えるでしょう。
今後の人生設計に必要なお金を考える時には、マイホームや子どもの教育費だけでなく、退職後=老後の自分たちの生活も考えておくことが必要です。
日本人の平均寿命は延びていますから、「人生90年」と考えた時に十分なお金の準備と使い方をすることが欠かせません。
今回の3つケースから言えることは、
①マイホームを買う前には、頭金+諸経費+αの用意が必要
②子どもが生まれる前に、妻の育休期間に収入が減る分は貯蓄しておく
③出産後育児に専念する場合には、妻が働かない期間の妻の年収分を貯蓄しておく
ということです。
まだ準備ができていない人は、ぜひすぐに始めてくださいね。
<注1>住宅の購入費用は首都圏平均、頭金1割、諸費用7%で計算
<注2>年収は平均的な賃金上昇率にて試算
<注3>年金受給額は、平成29年度の金額を元に試算
<注4>子どもの教育費は、幼稚園(保育園)~高校は公立、大学は私立文系として試算